-創立10周年記念 – 能楽写真家協会 能楽写真展
「能 神 鬼 出現」
南北朝時代、大和猿楽に観阿弥・世阿弥が現れ、将軍足利義満の援助をうけ現在につながる[能]を大成させました。
能では役者が[面]を付け [神]や[鬼]に変身し、舞台上で縦横無尽に活躍します。
今回の写真展では、[神]と[鬼]が出現する能を紹介します。
能楽写真家協会は能狂言を写真・ビデオで撮影する団体で、創立10周年を迎えました。
会期 2015年12月10日(木)〜12月16日(水)>
開館時間 10:00〜18:00 (最終日は14:00閉館)>
会場 ポートレートギャラリー 入場無料
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目7番地
日本写真会館 5階
TEL:03-3351-3002
URL https://www.sha-bunkyo.or.jp/gallery/
JR四ツ谷駅 徒歩3分
東京メトロ 丸ノ内線 四ツ谷駅 徒歩5分
東京メトロ 南北線 四ツ谷駅 徒歩3分
荒巻 薫里 | 「氷室」 本田 布由樹(金春流) 亀山院(第90代天皇)の臣下が、丹波国の氷室山で、氷室を守っている老人に出会う。老人は実は氷室明神の化身で、夜になると天女と共に現れ、氷を献上する様子を臣下に見せ、世を祝福する。 「鉄輪」 山井 綱雄(金春流) 2014年5月31日 円満井会定例能 矢来能楽堂 ある男が悪夢を陰陽師安倍晴明に占って貰うと、今夜にも捨てた前妻の呪いで絶命するという。晴明が男と新妻の人形を作り祈祷を行うと、貴船神社の神託に従い鬼と化した前妻が現れ、凄まじい形相で人形を責め始める。 「福の神」 大蔵流二十五代宗家 大藏 彌太郎(大蔵流) 2014年7月21日 善竹改姓五十周年記念公演 善竹狂言会 観世能楽堂 大晦日の夜、二人の男が神社で毎年恒例の豆まきをしていると、大きな笑い声と共に福の神が現れる。男たちが要求に応えて酒を奉げると、福の神はそれを旨そうに飲みながら、金持ちになる秘訣を歌い出す。 |
池上 嘉治 | 「雷電」 松井 彬(喜多流) 讒奏に依り太宰府に流され、怨みをのんで死んだ菅原道真の霊が雷電となって仁王会に現われ、怒りの様を表した場面。 |
石田 裕 | 「道成寺」 粟谷 明生(喜多流) 鐘の中から鬼女が出た! 恋しさ余って憎さ百倍である。 「紅葉狩」 粟谷 明生(喜多流) 美しい里の女、序ノ舞から急ノ舞へ変ると舞台の雰囲気は一変する。中入があり、鬼女の出現となる。 |
牛窓 雅之 | 「道成寺」 吉浪 壽晃(観世流) 蛇体に変わる前の白拍子の女。独特の拍子を踏み、舞いながら釣鐘に近づく乱拍子の場面。シテと小鼓で息遣いだけで間を合わせる難所で、満員の能楽堂全体に緊張感が溢れます。 「殺生石 白式」 大槻 文蔵(観世流) 後シテ野干(狐)は天竺では斑足太子の塚の神。日本へ渡り滅ぼそうと隠れ住んだが、狩り出され射殺されます。装束は白頭、白狩衣と白基調となり型も緩急が付きますが、この特殊演出は滅多にありません。 |
神田 佳明 | 「龍虎」 出雲 康雅(喜多流) 作り物の岩穴から鬼の形相をした、口が耳元まで裂けそうな獅子口の面を掛けた虎が現れる。見開いた眼から怪しい輝きが、闘争心をむき出しに鮮烈な虎が現れる。天から龍も降り立ち龍虎相打つ勇壮な舞台が展開する。 「神鳴」 山本 則秀(大蔵流) ピッカリ、ガラリガラガラと雷さんが雲を踏み外し落ちてくる。鬼の形相の神鳴は色鮮やかな赤頭に髪をなびかせ腰には羯鼓を付け、目を見張る装束に身を包み鮮烈に登場。腰の痛みを訴え治療代に晴天800年の神通力を約束する。 |
今駒 清則 | 「養老」 高林 呻二(喜多流) 親孝行で滝の水が酒になった、という養老の滝伝説とは別な話で、能では養老の「山神」が現われ、霊水を讚え、神仏共に衆生を救うとして風水の音で神舞を壮大に舞い寿ぐ。 「白楽天」 豊嶋 三千春(金剛流) 2013年4月28日 金剛定期能 金剛能楽堂 唐の白楽天と漁夫が肥前・松浦で日唐の詩歌の優劣を競う。漁夫変じて「住吉明神」となり、遠来を慰労して荘厳な舞を舞う。 「現在七面」 金剛 永謹(金剛流) 2013年12月15日 金剛定期能 金剛能楽堂 法華経の功徳を讚える能で、「竜女」が現われ、日蓮上人が読経すると「天女」と変じ、幣を持ち神楽を舞う。 |
杉浦 賢次 | 「絵馬 女体」 香川 清嗣(喜多流) 前場で尉と姥が伊勢斎宮の絵馬の神事をみせ、後場では天照大神が天鈿女神と手力雄命を従えて現れ天の岩戸の故事を再現する。写真は岩戸を出た天照大神。 「首引」 佐藤 友彦 井上 靖浩 他に狂言共同社同人(和泉流) 親鬼が人間の臭いを嗅ぎつけ、娘鬼に食初めをさせようと、通り掛りの鎮西八郎為朝に襲い掛からせ叩かれ泣き出し、為朝は力比べで負けたら食べられようと勝負をするが負けて、次いで首引でと眷属の鬼達にも加勢させるが…… |
鈴木 薫 | 「三輪」 野村 四郎(観世流) 奈良・三輪山の麓の庵に住む玄賓僧都と三輪明神のお話。 「野守 白頭・天地之声」 野村 四郎(観世流) 大和の春日野で出会った、野守の老人から「野守の鏡」の故事を聞いた山伏が、一心に祈ると、塚から鬼神が現れます。 |
瀬野 雅樹 | 「岩船 白頭」 シテ 森本 哲郎 ツレ 山下 麻乃(観世流) 万葉集にある天岩船伝説。 「鞍馬天狗 白頭」 上田 大介(観世流) 鞍馬の大天狗は 天狗たちの頭領と目されるような堂々たる威厳の姿を現す。 |
瀬野 匡史 | 「葵上 梓之出 空之祈」 久田 勘鴎(観世流) 六条御息所の生霊が現れ 葵上を攻め、恨みの言を述べる。 「神鳴」 シテ 善竹 忠亮 アド 牟田 素之(大蔵流) 雷鳴が轟く中、薮医者の前に雷様(シテ)が雲から落ちてきて腰を痛めた。 |
高橋 健 | 「善界 白頭」 片山 九郎右衛門(観世流) 仏道を倒さんと魔界の大天狗善界坊。しかし、不動明王や諸天ら神力仏力の前にして、やがて飛翔する魔力も尽きてゆく。 |
辻井 清一郎 | 「黒塚 雷鳴ノ出」 辻井 八郎(金春流) (前シテ) 一夜の宿を貸すことになった山伏達の求めに応じ、糸繰り車を回して見せる女あるじ。はじめは美しい糸尽くしの歌とともにゆっくりとした回転も宿業を負って生きつづける苦しさに感情も昂ぶり、次第に巻き取る速度を増す。 「黒塚 雷鳴ノ出」 辻井 八郎(金春流) (後シテ) 「閨の内を見るな」の約束を破られた女あるじは怒りに燃えて、鬼女の姿に変じ、鉄杖を振りかざして山伏達に襲いかかる。激しい闘争を展開するも、遂に山伏に祈り伏せられ、我が身を恥じて夜嵐の音に紛れて消え去る。 |
中川 喜代治 | 「三輪」 辰巳 満次郎(宝生流) 大和国(奈良県桜井市)の三輪山をご神体とする大神神社。ご神木の杉の木陰から御声と共に女姿の三輪明神が現れ、天照大神の天の岩戸隠れ神話の神楽を奏し舞う場面。 |
成田 幸雄 | 「殺生石 女体」 中村 邦生(喜多流) 玉藻の前に化けたものの見破られた狐の執心が石に取り憑き 殺生石となった。玄翁という高僧の供養により、この後は悪事をしないと改心する。「女体」の小書により面・装束が常と変り より妖艶な演出になる。 |
前島 吉裕 | 「翁」 二十六世観世宗家 観世 清和(観世流) “「翁」は、「能にして能にあらず」”といわれ、他の能とは違い特にストーリーがない別格な曲。天下泰平・国土安穏を祈祷する舞を舞う。神聖な儀式の要素が高く、新年や舞台開きなど祝賀の時に演じられる。写真は徳川家拝領の本面と装束。 「舎利」 シテ(足疾鬼) 関根 祥丸 ツレ(韋駄天) 上田 宜照(観世流) 2015年8月6日 観世会荒磯能 梅若能楽学院会館 尊い牙舎利(仏陀の歯)を奪い、天井を蹴破って虚空に逃げ去る足疾鬼(足の速い鬼)。 「大瓶猩々」 シテ 寺井 栄(観世流) 孝行者の酒売りが、潯陽の江に佇んでいると、猩々が多くの仲間を引き連れて波間から現れる。汲んでも尽きることの無い泉の酒を飲み交わし、舞い戯れ 泰平の世を寿ぎながら帰って行く。華やかで祝言に満ちた曲。 |
名鏡 勝朗 | 「乱」 宝生 和英(宝生流) 唐土・揚子の里に住む親孝行で評判の高風という男の店で酒を買って飲み、乱れという特殊な足運びの舞を舞う猩々(海中に住み、酒を好むという中国の伝説上の動物)。 「土蜘」 シテ(土蜘蛛の精) 近藤 乾之助(宝生流) ワキ(独武者) 森 常好(宝生流) 2010年3月14日 宝生会月並能 宝生能楽堂 源頼光を襲い、さらに警護の家臣・独武者(ひとりむしゃ)に立ち向かう妖怪土蜘蛛。近藤師82才時の渾身の演能。 「黒塚」 今井 泰行(宝生流) 陸奥の人里離れた安達ヶ原黒塚に住む老女は秘密を知られて鬼女となり、宿を求めた諸國一見の僧・祐慶一行を襲う。「道成寺」「葵の上」とともに三鬼女と呼ばれる。 |
山口 宏子 | 「三輪 白式神神楽」 山崎 正道(観世流) 三輪山の辺に住む玄賓僧都から衣を請い受けた女が、三輪明神として現れ、神代の物語を語り神楽を舞う。大和三輪の神婚説話(男神)と天の岩戸神話(女神)とを合せた独自の構成を持つ曲。 「小鍛冶 白頭」 金剛 龍謹(金剛流) 剣を打てとの宣旨を受けた三條宗近に、狐姿の稲荷明神が相槌を打って御剣を完成させ、稲荷の峰に飛び去る。この曲は、稲荷明神の霊験譚とも考えられる。 |
吉越 研 | 「大会」 谷本 健吾(観世流) 比叡山の僧に命を助けられた天狗は、お礼に釈迦が説法をされた様子を幻術で僧に見せますが、僧を惑わした罪で帝釈天に追われる事になります。 「竹生島 女体」 角当 行雄(観世流) 琵琶湖に浮かぶ竹生島の縁起を題材とした曲です。 「八尾」 閻魔大王 善竹 富太郎 亡者 善竹 大二郎(大藏流) 八尾に住む男が亡くなり、六道の辻に差し掛かります。そこへ閻魔大王が現れ地獄へ攻め落とそうとするのですが、亡者は八尾の地蔵からの手紙を持参しており、手紙には閻魔の弱みが書かれていたのです。 |
渡辺 国茂 | 「龍田」 シテ(龍田姫の神) 遠藤 喜久(観世流) 旅の僧が竜田川を渡ろうとすると、巫女が古歌を引き、紅葉が乱れると止められる。冬枯れの季節なので訝しがるが巫女は竜田姫の化身で、夜半に神殿が突如鳴動し鼓の音が鳴り響く中、竜田姫が現れ神楽を舞う。 蝋燭能「一角仙人」 シテ 遠藤 喜久 ツレ 佐久間 二郎 一角仙人は鹿から生まれ一本の角を持ち神通力で龍神を岩屋の中に封じ込めてしまう。雨が降らず困った帝は美しい旋陀夫人を仙人のもとに送り、仙人に酒を飲ませ、龍神を岩屋から救い出す。龍神は仙人と戦い勝。 黒川能「岩船」 上野 由部(黒川能 下座 能太夫) 黒川能は山形県鶴岡市黒川の春日神社に、室町時代から伝承されている能と言われており、五流の能と同じ起源をもつ。 |
金の星写真場 渡辺 真也 | 「松山天狗」 片山 九郎右衛門(幽雪)(観世流) おどけた部分も持ち合わせる他の天狗物とは少し色合いが異なり、「怨念」にテーマを置き舞台が終始します。 |