創立10周年記念 能楽写真家協会 能楽写真展
- 名古屋能楽堂 -
特別出品
昭和初期からの能楽写真~金の星写真場 渡辺辰男の仕事~
やっとかめ文化祭 特別協賛事業
名古屋能楽堂 特別企画展
主催/公益財団法人 名古屋市文化振興事業団[名古屋能楽堂]/能楽写真家協会
後援/公益社団法人 能楽協会 名古屋支部
会期 2015年10月28日(水)~11月24日(火)
開館時間 9:00~17:00
(最終日は15:00閉館)
会場 名古屋能楽堂 展示室 入場無料
〒460-0001 名古屋市中区三の丸一丁目1番1号
TEL:03-3350-1211
・地下鉄鶴舞線「浅間町」下車 1番出口より東へ徒歩10分
・地下鉄名城線「市役所」下車 7番出口より西へ徒歩12分
・市バス「名古屋城正門前」下車すぐ(栄13号系統、栄27号系統、西巡回系統)
・なごや観光ルートバスメーグル「名古屋城」下車すぐ
能楽写真家協会は日本が誇る無形文化遺産 能楽の映像記録、その撮影技術の向上および能楽の映像を通して、一般の人たちへの能楽の普及啓蒙を目的として設立された、日本全国の能楽写真と能楽ビデオのカメラマンの協会です。
私たちは会員間の交流を通して写真技術の向上に日々務め、また随時写真展を開催して会員の作品発表の場としています。
本年は当協会設立10周年を迎えることとなり、6月に新宿シリウスで行い、10月28日から約1ヶ月間長期にわたり、名古屋能楽堂にて公益財団法人名古屋市文化振興事業団と共同にて初めて写真展を行います。そして12月に四谷ポートレートギャラリーで行い、併せて3カ所で写真展を開催します。写真展をご覧いただき、ご批評をいただければ幸いです。
出品者
関東 荒巻薫里・石田 裕・太田宏昭・亀田邦平・神田佳明 鈴木 薫・高橋 健・辻井清一郎・前島吉裕・名鏡勝朗 山口宏子・吉越 研・渡辺国茂 中部 杉浦賢次 関西 池上嘉治・牛窓雅之・今駒清則・瀬野雅樹・瀬野匡史 松本直巳・渡辺真也 |
今駒 清則
| 薪御能「翁 十二月之往来」 金春座(金春流) 2012年5月18日 薪御能 咒師走りの儀 春日大社舞殿 「薪御能」の最初に春日大社へ奉納する「翁」。「十二月往来」なので、三人の翁、父尉、延命冠者、千歳、三番三が登場し天下泰平を祈祷します。写真は左端に延命冠者、中央は父尉です。 |
瀬野 匡史
| 「老松」 笠田 昭雄(観世流) 2013年2月11日 神戸観世会 上田観正会能楽堂 菅原道真にまつわる「飛び梅」「追い松」伝説が原点。 のどかな春の夜、老松の神霊が現れ、君の長寿を祝い泰平の世を寿ぎ、厳かな舞を舞います。 |
瀬野 匡史
| 「巴」 久田勘鴎(観世流) 木曽義仲臨終の地に現れ、義仲との最後の合戦に臨んだ時の様子を語る。 |
瀬野 雅樹
| 「忠度」 和久 荘太郎(宝生流) 忠度は天養元年(1144年)平忠盛の六男として、紀伊国の熊野地方で生まれ育ったといわれている。歌人として優れており藤原俊成に師事、千載和歌集勅撰和歌集に掲載されている富士川の戦い、倶利伽藍の戦い等に出陣。一の谷の戦いで岡部六弥太と戦い41歳で討ち死にしたとき、文武に優れた忠度を敵味方が死を惜しんだ。 |
杉浦 賢次
| 「頼政」 長田 驍(喜多流) 2007年9月2日 名古屋能楽堂9月定例公演 名古屋能楽堂 高倉の宮を擁して平家追討を旗揚し、宇治川の戦いに敗れた源三位頼政、最後の奮戦の様をみせる。特殊面<頼政>掛ける。三修羅の一つ。 |
高橋 健
| 「経正」 浅見 慈一(観世流) 琵琶青山を勧められ奏でる経正の霊、その姿は見えぬままに、絃の調べだけが流れる。 |
亀田 邦平
| 「楽屋 面をつけ女性に」 山内 崇生(宝生流) 変身する入魂の一瞬 |
瀬野 雅樹
| 「梅」 観世 清和(観世流) 明和の新作能 万葉集の難波の花は桜ではなくて 梅であると語り 梅の花の徳を誉め称えます。後シテ 梅の精 |
今駒 清則
| 「右近」 松野 恭憲(金剛流) 京都・北野右近馬場の春。花見する物見車の女性、実は「桜葉明神」の化身です。後に数々の寿ぎの舞を舞って天上へ消えます。 |
太田 宏昭
| 「吉野静」 佐々木 宗生(喜多流) 吉野山を落ち延びる源義経を、舞を見せて追っ手を引き留め、無事落ち延びさせることができた静御前。_時空を超えて能の舞台は中尊寺白山神社。この趣のある舞台を生かすため、視点を引いて表現した。 |
神田 佳明
| 「湯谷 三段ノ舞」 大島 衣恵(喜多流) 平宗盛に郷里の老母の病を告げ、暇乞いを願い出るも許されず春爛漫の清水寺へ。美景に酔いしれる宴とは裏腹に突然に降る村雨。散る花びらに母の姿を重ね、落花に扇を差す凜とした湯谷の舞い。 |
山口 宏子
| 「姨捨」 梅若 紀彰(観世流) 月見のために姨捨山を訪れた都人の前に、夜更け老女が現れ、姨捨山の煌々と照る中秋の名月の光を浴びて、昔を偲びつつ、神々しく舞を舞う。やがて都人は去り、老女は一人取り残される。 |
牛窓 雅之
| 「関寺小町」 浦田 保利(観世流) 秘曲を撮影する機会に恵まれ、初体験に緊張しましたが、おシテに撮らせて頂いた感があります。 [ 参考:キャノンA-1 FD300ミリ F2.8 1/15秒 フジ400使用 ] |
辻井 清一郎
| 「松風」 山井 綱雄(金春流) 日の暮れた秋の須磨の浦でシテ松風が汐汲車に載せた桶に汐を組み入れる場面です。シテの目線は桶の中にゆらぐ月影をみています。 |
吉越 研
| 「半蔀」 観世 淳夫(観世流) 京都、五条あたりのことです。半蔀に夕顔の咲く寂しげな家があり、女性の姿がおぼろげに見えます。現れた女の霊は過ぎし日の光源氏との逢瀬を語り舞い、また半蔀の中へ姿を消すのでした。 |
今駒 清則
| 「遊行柳」 高林 白牛口二(喜多流) 奥州を遊行する上人に念仏を授かった感謝から、柳の古木の精が優雅な舞を舞います。 |
石田 裕
| 「夕顔 山端ノ出」 粟谷 明生(喜多流) 「源氏物語」夕顔の巻に取材した曲。 |
渡辺 真也
| 「安宅 延年之舞 滝流」 金剛 永謹(金剛流) 弁慶を主人公にした現在物で、「勧進帳」で有名な曲です。義経との師弟愛、同山達との堅固な信頼関係、更に敵である富樫との駆け引き・・・語りと動きを交え激しく場面展開してゆく劇的な一曲です。何よりスケールを要求される本曲、金剛宗家は正に「適役」です。 |
名鏡 勝朗
| 「隅田川」 武田 孝史(宝生流) 人買いに連れ去られた我が子を探し求めて都より武蔵国・隅田川の畔に辿り着いた母親は、渡し船の船中で病に倒れた我が子の死を知らされる。哀れんだ船頭の案内で葬られた梅若塚を訪れて念仏を唱えると我が子の亡霊が現れ、喜びに姿を捉えようとするが塚の中へと消え失せる。塚に取りすがる母。 |
杉浦 賢次
| 「蝉丸」 梅田 邦久(観世流) シテ逆髪の宮は、髪が逆立つ病の上に心も乱れ、「柳の髪をも風は梳るに、風にも梳かれず、手にも分けられず」とさまよい歩く狂乱の態。 |
今駒 清則
| 「砧」 高林 白牛口二(喜多流) 夫の帰りを待つ妻は帰らぬ夫に絶望し亡くなります。やがて帰国した夫の前で妻の亡霊は夫を責め、地獄で苦しんでいる様を見せますが法華経読誦の功徳で成仏します。 |
鈴木 薫
| 「三輪」 野村 四郎(観世流) 奈良・三輪山の麓の庵に住む玄賓僧都と三輪明神のお話。杉の木陰から女姿で現れた三輪明神が神も衆生を救うため人間のように悩み迷うこともあると語り、神話を物語りながら、夜明けまで神楽を舞います。 |
瀬野 雅樹
| 「綾鼓」 衣斐 正宜 ツレ 内藤飛能(宝生流) 女御に対するかなわぬ恋に絶望して死んだ庭掃きの老人の執念を描く。 |
前島 吉裕
| 「葵上 梓之出 空之祈」 観世 清和(観世流) 源氏物語を題材とし、女性の嫉妬の執心が 鬼となって抗争する力強さが主題となっている。後シテでは般若の面をつけた生霊が修験者(ワキ)と鬼気迫る戦いをする。 |
辻井 清一郎
| 「獅子三礼」 金春 憲和(金春流) 毎年、銀座の金春通りで開催される路上能、この年は25周年を記念してシテとツレ二名による三匹の獅子が舞う「獅子三礼」が演じられる予定であった。しかし俄雨のため駐車場入り口の狭いスペースでシテ一人による簡略化した演出で演じられた。観客は雨に打たれながらも熱心に見入った。 |
池上 嘉治
| 「黒塚」 大島 衣恵(喜多流) 熊野の山伏東光坊裕慶一行が行脚の途中、陸奥安達ケ原で行き暮れ一軒の家に宿を求める。 |
瀬野 雅樹
| 「小鍛冶 白頭」 玉井 博□(宝生流) 三条の小鍛冶宗近の相槌を打つために稲荷明神のご神体が狐の精霊の姿で現れます。小書白頭になると半幕となります。 |
吉越 研
| 「船弁慶 後之出 留之伝」 大坪 喜美雄(宝生流) 平知盛の亡霊と判官義経の攻防描く傑作だが、前シテの静御前の舞に比べ、後シテの知盛の長刀を使った動きは能の中でも突出したダイナミックさを持つ。 手前の後ろ向きが義経だ。 |
渡辺 国茂
| 黒川能「猩々」 剱持 博行(黒川能) 山形県鶴岡市黒川の春日神社王祇祭は2月1日夕刻から大地踏・式三番・能五番・狂言四番が明け方まで演じられる。 「猩々」は祝言能として当屋の最後の能として、ベテランの役者により演じられる。役者衆は神社で使う装束・面をまとめて2日の春日神社での演能にそなえる。この時刻、来年の受当屋では朝振る舞いという祝宴が始まる。 |
杉浦 賢次
| 「花盗人」野村 万作(和泉流) 秘蔵の桜を折り取られ、立腹した花主に捕まり桜の木に縛られて落涙する男、古詩や古歌を詠んで花主と問答すると、その先には……… |
太田 宏昭
| 「月見座頭」野村 万作(和泉流) 独り野辺で泣く座頭、しんとした夜に虫の音だけが聞こえている |
荒巻 薫里
| 「柿山伏」大藏 千太郎(大蔵流) 修行を終えて故郷に帰る途中、喉が渇いて、ある畑の柿の木の柿を盗んで食べていた山伏。それを見つけた畑主は、山伏をからかってやろうと様々な動物の鳴き真似をさせます。鳶の真似をさせたところ、山伏は木から落ちてしまいます。 |
前島 吉裕
| 「磁石」善竹 富太郎(大蔵流) 田舎者が上京する途中 市を見物していると、男が言葉巧みに近寄り宿に泊める。_実はその男は人買いの“すっぱ”で、亭主との売買の交渉を盗み聞きした田舎者は逃げ出す。 追いつかれた田舎者は 自分は“磁石の精”だと名乗り すっぱが抜いた太刀を飲もうとする。死んだふりをした田舎者は急に起き上がり、太刀を取ってすっぱを追い込む。写真は追いつかれた田舎者の見事なジャンプ。 |
杉浦 賢次
| 「靭猿」猿曳 井上 靖浩 小猿 井上 蒼大(和泉流) 「猿にはじまり狐におわる」と言われ、狂言の家に生まれた子が、幼年時に経験する役処の無邪気に踊る小猿。それを見守る親(猿曳)の心は? |
辻井 清一郎
| 「墨塗」大名 宮本 昇 太郎冠者 星 廣介(大蔵流) 狂言は能とは異なり面を付けずに演じられる場合の方が多いので、演者の表情やキャラクターなどを直に観ることができ、舞台上で演じられる生き生きとした笑いの世界を楽しむことができます。 |
杉浦 賢次
| 「金津地蔵」親 先代野村 又三郎(和泉流) すっぱが、自分の子供に面をかぶせ地蔵に仕立てて大金で売りつけ、村人が拝して喜ぶ中を親が迎えに行き背負って逃げ出す。 |
瀬野 匡史
| 「木六駄」 野村 又三郎(和泉流) 主人の命により、太郎冠者は大雪が降るなか、牛に背負わせた炭、酒樽を届けに行く。 |
〜金の星写真場 渡辺辰男の仕事〜
貴重な昭和初期からの能楽舞台写真のネガ乾板とオリジナルプリントを展示します。
「能楽写真家協会 能楽写真展」 撮影:今駒清則
おすすめ 名古屋城 本丸御殿名古屋能楽堂のすぐ近くで名古屋城の本丸御殿が公開されています。 |