「能の美」

案内ハガキ写真 「道成寺」 シテ:山中一馬
撮影:辻井清一郎

能楽写真家協会では会員による能楽写真展を開催しています。
能楽のプロカメラマンが撮影した能楽写真を、記録として、また芸術の領域まで高めうるか、能楽写真家協会としての試みであり、さらにこの催しが能楽の普及、啓蒙に役立てばとの願いから、全国の能楽カメラマンが撮ったそれぞれの作品を出品します。

出品者

関東 荒巻薫里・石田 裕・神田佳明・新宮夕海・鈴木 薫

   高橋 健・辻井清一郎・成田幸雄・前島吉裕・三上文規

   名鏡勝朗・山口宏子・吉越 研・渡辺国茂

関西 池上嘉治・牛窓雅之・木村嘉男・久保博義・今駒清則

   瀬野雅樹・瀬野匡史・渡辺真也

九州 工藤万太郎

お詫び
一部のご案内のハガキや印刷物、ホームページ上で、東京展の開場時刻を 10:00 としていましたが、11:00 が正しく、慎んでお詫び申し上げ訂正いたします。

東京展
大阪展
出品作品
映像作品
東京展

会期 2017年5月19日(金)〜5月24日(水)

開館時間 11:00〜19:00  (最終日は15:00閉館)
土・日曜日 開館

会場 オリンパスギャラリー東京  入場無料

〒160-0023 東京都新宿区西新宿 1-24-1
エステック情報ビル オリンパスプラザ東京

JR 新宿駅から徒歩約5分      
都営大江戸線 都庁前駅から徒歩約4分
アクセス

大阪展

会期 2017年6月9日(金)〜6月15日(木)

開館時間 10:00〜18:00  (最終日は15:00閉館)
日曜日 休館

会場 オリンパスギャラリー大阪  入場無料

〒 550-0011
大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル
オリンパス プラザ大阪

地下鉄中央線 本町駅から徒歩約3分 
地下鉄四つ橋線 本町駅から徒歩約5分
アクセス

写真 「右近」 シテ:松野恭憲(金剛流)  撮影:今駒清則
出品作品

荒巻 薫里

靭猿 替装束」 アド(小猿) 大藏 ゆき(大蔵流)
       2013年5月25日  第15回吉次郎狂言会

「靱猿」のシテ・大名を演じる大藏教義さんの娘さんの大藏ゆきさんが、面をつけて女の子から小猿になる、舞台裏の一瞬を捉えました。
 


狂言大蔵流宗家三代」 大蔵流第25代宗家 大藏 彌右衛門 大藏 彌太郎 大藏 章照
       2015年2月8日 狂言大藏会 2015

狂言方大蔵流の、現代と未来の宗家が三代揃った舞台裏の和やかな場面です。
室町時代から綿々と続く能楽・狂言が、また未来に続いていくことを象徴する写真になりました。

池上 嘉治

田村」 シテ 大島 政允(喜多流)
       2014年4月20日  第237回大島能楽堂定期能

大将軍・坂上田村丸の霊が清水寺に現われ、戦物語に闘いの所作をし、これは観世音の仏力なりと讚える。勝修羅物の中でも最も勇壮な曲である。
  



自然居士」 シテ 大島 輝久(喜多流)
       2014年5月31日  第四回 燦の会

童女を人買い商人から取り戻すため、自然居士は言うがままに芸尽くしを見せる。舞いに簓(ささら)、羯鼓と舞台や橋懸を縦横に舞い、童女を助ける。
 


黒塚」 シテ 大島 衣恵(喜多流)
       2012年11月3日  後楽能

奥州・安達原に住む女、一宿の山伏に糸を繰って見せます。しかし本性は人を喰らう鬼女でした。後に山伏に祈り伏せられて消えますが、実は女との約束を破ったのは山伏の方です。(岡山後楽園能舞台)
  

石田  裕

石橋」 シテ 粟谷 明生(喜多流)
       2017年3月5日 第百回 喜多流 粟谷能の会

巻毛の赤頭である。紅白の連獅子より重厚で威厳があった。
 
 


実朝」 シテ 内田 成信(喜多流)
       2015年8月20日 遊行寺薪能

雨天が予想され、遊行寺本堂特設舞台で行われた。作者は土岐善麿である。
若き将軍、源実朝の夢と悲しい運命が叫び声となって聞こえた。
 


望月」 シテ 粟谷 明生(喜多流)
       2017年1月29日 喜多流特別公演

旧主人の仇討ちのため、隙を狙う目が印象的であった。
 
 

牛窓 雅之

大原御幸」 シテ 上野 朝義 ツレ上田 拓司 寺澤 幸祐(観世流)
       2016年6月12日 蘭の会

数奇な運命を辿った建礼門院が自らそのいたましい過去を回想する趣の能です。
柴の戸にたたずむ女院の心淋しいさまを色調で表現してみました。
 


羽衣 舞込」 シテ 粟谷 明生(喜多流)
       2017年4月18日 厳島神社桃花祭御神事 神能

能の中で最も一般的に知られている人気曲です。
教科書にもよく使われています。羽衣を取り戻した天人が喜びの舞を舞いながら、天空へ昇っていく場面です。
 

神田 佳明

葵上 梓乃出 無明之祈 長髢」 シテ 今井 清隆(金剛流)
       2004年10月30日 第六回今井清隆 能の会

今井清隆師の第6回・東京公演で演じられた葵上。
(かもじ)を左手に握りしめ、赤い打杖を頭上に振りかぶり般若の眼(まなこ)の視線は鋭い。
半身を覆う緋ノ長袴も燃え滾
(たぎ)る生霊の怒りを現している。


 三番三」 三番三 若松 隆(大蔵流)
       2016年1月11日 梅若定期能

揚幕が上ると露払いの千歳、翁の大夫(たゆう)が舞台に立ち、白式尉を掛けた翁の舞が始まる。
常座に控えていた三番三は直面
(ひためん)で「揉ノ段」を舞い、気迫みなぎる若松師ならではの祝梼の足拍子が響いた。


花月」 シテ 櫻間 金記(金春流)
       2016年6月5日 金春会

春の訪れを告げる京都・清水寺で遊芸に興じる少年が生き別れていた父との再会を果たすドラマ。
シテは金春流きっての名手・櫻間金記師
 

木村 嘉男

安達原」 シテ 大西 礼久(観世流)
       2016年12月10日  大阪観世会定期能

老女の正体が、旅僧によって暴かれる。皆さんも、自分の正体、心の内を他人に見抜かれ、ハッとし、次の瞬間 憎悪し 怒りと 恨みを つい表に出し 相手を睨み付けてしまうそんな経験がおありでしょう。
能楽は、そんな人間の 悲しみ 怒り 嫉妬 を芸術の域にまで昇華させた芸能です。

工藤 万太郎

」 三番三 茂山 良暢(大蔵流)
       2017年4月16日  厳島神社桃花祭御神事

天候気候も良く明暗のコントラスが付きすぎないようマニュアアルで撮影を実施。
神事に奉仕する気持ちの傍ダイナミックな舞の瞬間を表現してます。
 
 

久保 博義

芭蕉」 シテ 高橋 忍(金春流)
       2015年10月28日  大阪金春会

夏には大きく青々と風になびく芭蕉の葉も、冬の季節には木枯らしに吹かれ、枯れ枯れに破れちぎれる。
その植物の芭蕉の葉に、世の諸行無常を象徴させて、芭蕉の精がしみじみと舞い踊る。
 


葛城」 シテ 金春 康之(金春流)
       2015年10月18日 奈良金春会

冬になれば深い雪に閉ざされる葛城山を舞台にした、幻想的な雪の能で、月明かりに照らされ、白く輝く雪のなかに、女体の葛城の神様が舞い踊る、神話の情景が描かれる。
 

今駒 清則

隅田川」 <特写>
 

我が子の行方を東国までも探し求め行く母。
沖の鴎にも我が子を偲び、母の思いは乱れに乱れる。
 


江口」 シテ 金剛 巌(金剛流)
       1974年12月15日 金剛定期能

能の基本は「かまえ」と「はこび」にあります。「かまえ」は基本的な立ち姿、「はこび」は運歩です。
その静と動の諧調が能の美となります。
 

新宮 夕海

舎利」 シテ 辰巳 満次郎(宝生流)
       2016年12月14日 東京能楽囃子科協議会定式能 十二月昼能

指先までの緊迫感。豪快で、表情豊かな辰巳先生の「舎利」。主人公の足疾鬼(そくしっき)は、宝である舎利珠(舎利とは仏の遺骨)を盗み、韋駄天(いだてん)に追いかけられ逃げるが、天地も塞がり慌てふためく。
悪役ながらどこか憎めないのは、舎利は人の欲、足疾鬼は人間を表しているからかも。


石橋」 シテ 粟谷 明生(喜多流)
       2017年3月5日 第百回 喜多流 粟谷能の会

恐ろしい顔に見えるが、この獅子は有り難い文殊菩薩の使者。険しい渓谷の石橋に紅白の牡丹を咲かせ、戯れ舞いながら旅人を導く。
粟谷先生の獅子のダイナミックさの中に、明るさポジティブさを感じる一枚。喜多流独特の巻き毛の獅子だが、寺社の狛獅子も巻き毛が多く、親しみを感じる。


小舞「祐善」 シテ 野村 万作(和泉流)
       2016年月7月31日 第22回 能楽座自主公演 観世豊純・曽和博朗・宝生閑 偲ぶ会

人間国宝の野村万作先生の凛とした立ち姿にまず魅了され、それからの5分間は、息をのむ美しい瞬間の連続であった。
無念の死を遂げた「日本一下手な」傘張り職人の祐善。亡霊であるが、おかしさ、哀しさのなかに、「生」のきらめきを感じた。

鈴木  薫

檜垣」 シテ 野村 四郎(観世流)
       2013年12月21日 世阿弥生誕650年記念 横浜能楽堂企画公演

肥後国岩戸山に住む僧のもとに閼伽の水を毎日運ぶ、百歳近い老女がいます。僧が老女に名を尋ねると、「みつはくむ」の歌を詠んだ白拍子、檜垣の女であると明かし、姿を消します。
その夜、白河のほとりに尋ねて行った僧の前に、女の亡霊が現れ、世の無常を述べ、地獄での苦しみと今なお釣瓶に因果の水を汲む有様を見せ、懺悔の舞を舞って成仏を願います。


三輪」 シテ 野村 四郎(観世流)
       2013年10月27日 セルリアンタワー能楽堂 定期能十月

奈良・三輪山の麓の庵に住む玄賓僧都と三輪明神のお話。杉の木陰から女姿で現れた三輪明神が神も衆生を救うため人間のように悩み迷うこともあると語り、神話を物語りながら、夜明けまで神楽を舞います。
 

瀬野 雅樹

俊寛」 シテ 山本 博通(観世流)
       2015年12月6日 たにまち能

平家物語に描かれた俊寛の悲劇を舞台化した能。
流刑の地 鬼界島 今の鹿児島県の南方洋上に位置する 薩摩硫黄島。都を懐かしみ 水を酒になぞられて 酒を酌み交わす。
その後 同志は赦免され 一人残される。


家島船上能 昼と夜」 シテ 辰巳 満次郎(宝生流)
       2016年7月22日 真浦港乗船場付近。だんじり船を舞台に 幽玄の国生み伝説

家島群島 姫路から南西18Km 瀬戸内海播磨灘 大小40余りの島。名前の由来は 神武天皇東征の祭 嵐にあい この島に避難された時、『まるで家に居るようだ』と言われたことから 家島と呼ぶ。国生み神話の解釈の中に 西島頂上石群 中心の巨石 天の御柱と言われるものがあり、その言い伝えに基づいて作られた。猩々と言う曲が 特殊演出(小書)により乱という曲名にかわる猩々とは 古典書物に記された中国の架空の動物である水中の波間より現れ 酒を酌み交わし 泉のように尽きる事のない酒壷を与えて帰ってゆく。(会場 真浦港乗船場付近)

瀬野 匡史

鷹姫」 老人 大槻 文藏 鷹姫 大槻 裕一(観世流)
       2016年12月24日 聖夜に室町ミュージカル

ウイリアム バトラー イェイツ原作 今なお繰り返し演じ続けられる唯一の能。
ケルト神話と能に共通する幻想 自然の対する親しみや畏敬の念という。失いつつある想いを 強く求め書き上げられた詩劇。(なら100年会館)
  


葵上 梓之出」 シテ 上田 大介 ワキ江崎 欽次朗(観世流)
       2016年11月20日 圓教寺能

姫路の北西部に位置する書寫山は古くから祈りの山として歴史を刻んできました。
深い森の中 荘厳な伽藍が点在するさまは 西の比叡山にふさわしい佇まい。小聖が加持祈祷をすると 御息所の心に巣くっている嫉妬の気持ちが鬼女の形になって現れ 小聖に襲いかかるが 戦い末祈り伏せられる。


鉄輪」 シテ 山本 章弘 アイ 善竹 龍平(観世流)
       2016年11月5日 光と照明による 能舞台の陰翳

時代の最先端 LED照明演出をもちいた 新しい能の世界。
夫に捨てられた女が 恨みを晴らすため 貴船神社へ丑の刻詣の参っていると社人から神のお告げが伝えられる。
女は夫の命を取ろうとするが 夫に頼まれた安部清明に追われ呪いの言葉を残して消えてく。

高橋  健

朝長」 シテ 清水 寛二(観世流)
       2014年4月26日  銕仙会30周年記念能

戦火に散った紅顔の若武者『朝長』。
その生死の際を、能は役者の肉体を通じて簡潔、かつ鮮烈に描写する。
 
 


頼政」 シテ 清水 寛二(観世流)
       2016年12月9日  銕仙会定期公演

大病を乗り越えた演者の復帰舞台。
老体の修羅能である『頼政』を演者は演技の取捨選択によって、能を骨格によるラインで描きあげた。
緊迫感溢れて会心の一瞬。

辻井 清一郎

十二月往来父尉延命冠者」 シテ 金春 安明 ツレ 高橋 忍 金春 憲和(金春流)
       2016年4月29日 国立能楽堂企画公演

通常、能では幕の内で面を付けるが、翁では舞台上で面をつける。
また、一般の「翁」では一人の翁が演じるが、小書き「十二月往来父尉延命冠者」が付くと三人の翁が登場する。
 


頼政」 シテ 辻井 八郎(金春流)
       2016年3月13日 金春会定期能

宇治川を水飛沫を上げて進撃してくる三百余騎の平家騎馬隊との奮戦を仕方話で物語る頼政。
頭巾は「頼政頭巾」、面は「頼政」いずれもこの能専用である。
 


道成寺」 シテ 山中 一馬(金春流)
       2016年12月17日 櫻詠会

白拍子の飛び込みと同時に地響きとともに落下した鐘。
僧侶達の祈りと共に引き上げられると蛇体となった鬼女が姿を現す。
 
 

成田 幸雄

玉葛」 シテ 櫻間 右陣(金春流)
       2014年6月14日  櫻間會例会

初瀬川で小舟に掉さしてくる女。自分は玉葛の亡霊だと告げ、僧に回向を頼む。
女は妄執に乱れ狂う姿を見せるが、やがて成仏して僧も夢から覚める。
「源氏物語」の世界。
 
 

前島 吉裕

桜川」 シテ 清水 義也(観世流)
       2016年4月13日 清水義也能の会

母を助けるために身売りをした子供。母は物狂いとなって愛するわが子を探し求める。
桜が咲き乱れる桜川で 水面に散り浮かぶ桜の花びらを掬う姿は美しく印象的。やがて親子はめでたく再会し、連れたって故郷へ帰っていく。
お寺(傳通院)の本堂で演じられる事で、能舞台とは違った趣の世界が広がっていく。


能のお囃子」 大鼓 亀井 忠雄(葛野流)
       2014年11月2日 観世会定期能

能の音楽は 笛、小鼓、大鼓、太鼓の四つの楽器によって演奏される。
大鼓は桜の木をくりぬいた胴に馬の皮を張る。強く高い音色を出すために 炭火で皮をしっかりと焙じ、堅く締めて組み立てる。揚幕の向こうから聞こえる「お調べ」により、舞台の空気が徐々に現世から幽玄の世界へと変わっていく。
 (「お調べ」 笛・一噌 仙幸 小鼓・鵜沢洋太郎 大鼓・亀井 忠雄)

三上 文規

」 シテ 大槻 文藏(観世流)
       2001年4月14日 篠山春日能

どこからともなく現れ義仲の供養を乞う女。女であることから一緒に死ぬことが出来なかった巴御前。
うららかな春の陽を浴びてみるみる膨らむ桜花の蕾が、こぼれ落ちる涙に見えた。
  


熊野」 シテ 観世 銕之丞(観世流)
       2011年4月9日 篠山春日能

東国に住む病の母を見舞う暇請いが叶わず、花見の供を強いられた熊野。
都のざわめきの中、老母を案じる熊野を乗せた花見車が、春爛漫の大路を行く。
  
  

名鏡 勝朗

」 シテ 前田 晴啓(宝生流)
       2015年10月25日 宝生会 秋の別会

訴訟のため都へ行ったまま帰らぬ夫を待ちわびる妻は、中国の故事に倣い、晩秋の夜、夫の帰郷を願って砧を打つ。
女性の情念を描いた世阿弥の傑作。
 


千手」 シテ 朝倉 俊樹(宝生流)
       2015年6月14日 宝生会月並能

一の谷の合戦で破れて捕虜となり、狩野介宗茂の館に拘留されていた平重衡のもとに、源頼朝から世話をするように命じられた遊女・千手前が訪れる。
昔の栄華とは打って変わった今の境遇を嘆く重衡に寄り添い慰める千手。
 

山口 宏子

道成寺」 小鼓 大倉 源次郎(大倉流)
       2008年12月20日 朱夏の会

乱拍子はシテと小鼓の一騎打ち。
小鼓の鋭い音と掛け声。 抑制された動きの中で見せるシテの瞬間的な足使い。そして静寂。
極度の緊張の中、不気味な気配に舞台が覆われる。


卒都婆小町 一度之次第」 シテ 観世 銕之丞(観世流)
      2007年12月26日 「榮夫伯父と荻原達子さんを偲ぶ」−銕仙会竣工記念日に−

百歳となった小町は、衰えぬ才気で僧に言葉の応戦を挑むが、突然、深草少将の怨霊が取り憑き激しく狂乱する。
ほどなく我に帰り悟りの道へ入ろうと消え失せる。
 


阿漕」 シテ 和久 荘太郎(宝生流)
       2013月9月14日 宝生会 五雲会

人間が生きるために犯す罪の暗さ。
禁漁区で執心の網を置く漁師。網に魚を追い込み、引き上げると、網はそのまま地獄の猛火となり、永遠の業苦に苛まれる。

吉越 研

小鼓 銘:雲板」 大倉 源次郎所蔵
       

日本古来の楽器の1つ。木製の胴に専用の皮を貼り、それを緒(麻ひも)で張ることにより打ち方と緒の締め方で数種類の音色を出すことができる。
胴には美しい蒔絵などが施されているものが多く、そこに焦点を当てて撮ったものです。模様は木魚です。


紅葉狩幻想 鬼揃」 シテ 観世 銕之丞 他(観世流)
       2016年8月10日 下掛宝生流 能の会

場所は信濃国戸隠、美女が紅葉見物をし酒宴をしています。そこへ平維茂が通りかかり宴に誘われます。
美女の舞と酒で前後を忘れ眠ってしまいます。実は美女達は維茂を待ち構えていた鬼女だったのだ。
写真は前半の数人の美女が動き回る様子をスローシャッターにて撮ってみたものです。

渡辺 国茂

殺生石」 シテ 遠藤 喜久(観世流)
       2016年8月21日 触れてみよう!能楽の世界

所沢市が主催する伝統芸能普及事業。前半が能楽講座の成果発表会で後半が能の会です。講座の修了生は延べ500人を超えて能楽の普及に寄与している。
下野(栃木県)那須野が原にある石の話で、鳥羽院に仕えた玉藻の前の執心が石魂になり、割れて野干(狐・後シテ)が現れるが僧侶(玄翁)の供養でこの後は悪事はしないと言い消え失せる。(所沢キューブホール)


右近」 シテ 中森 貫太(観世流)
       2017年2月14日 観世九皐会2月定例会 

作者は世阿弥で信光が改作した能。
鹿島の神職が都に上り、右近の馬場で在原業平の歌を口ずさみ、花見車に乗る女(前シテ・実は桜葉の女神)が話しかけてくる。
  

金の星写真場
渡辺 真也

葛城」 シテ 味方 玄(観世流)
       2014年3月15日 創作能

創作能としての演能で、世阿弥が現代に生きていたら・・・という演出でした。
ホールならではの照明、音響効果を駆使して葛城山の神聖な空間を創造します。
 


 舞返」 シテ 片山 清司(十世九郎右衛門)(観世流)
       1997年9月5日

京都の宝ヶ池での薪能です。池の上に掛かる欄干を橋掛りに見立て月明かりに映る水面の大臣は幻想的でした。
  
  

映像作品

瀬野 匡史

初めの 始めの 能入門

   制作    大槻能楽堂
   監修    大槻文藏
   映像制作  工房 円(まどか)
   撮影・編集 瀬野匡史